卵管の詰まりと鍼灸治療
不妊の原因の一つに卵管の詰まりが考えられます。
一般的に不妊治療を始めるにあたり、病院で様々な検査を行うと思います。
例えば、
・血液検査
・内分泌検査(ホルモン測定)
・子宮卵管造影検査(卵管造影検査、HSG)
・フーナー試験(子宮経管因子検査)
・超音波検査
・精子検査(男性側)などです。
この中の「子宮卵管造影検査」に注目です。
もくじ
子宮卵管造影検査(卵管造影検査、HSG)とは
不妊治療において必須検査項目としてあげられるレントゲンを使った子宮と卵管の検査です。
これは、子宮と卵管の通り具合を検査するために造影剤を使った特別なレントゲン撮影です 。
子宮口からカテーテルを入れ、子宮頸管を通って子宮まで差し込み、バルーンを膨らませて固定します。
その後、造影剤を流し込みレントゲン撮影します。
正常な場合は、子宮内が造影剤で満たされ、卵管から造影剤が抜け出されることが確認できます。
子宮・卵管造影検査とは、卵管の通過の有無と子宮内の状態を調べる検査です。
造影剤を子宮内に注入しながらレントゲンを使って、造影剤が流れる場所を観察します。
子宮卵管造影検査でわかること
・左右卵管が通っているか
・子宮内腔の形状(子宮の奇形)や大きさ(容積)
・子宮内のポリープや粘膜下筋腫(子宮筋腫の一種)などの癒着の有無
・卵管水腫(卵管に水がたまる病気)や卵巣の周りへの癒着の有無
子宮卵管造影検査は治療ではありませんが、造影剤が卵管を通ることによって卵管の軽度の詰まりが解消され、卵管の通りがよくなることもあります。
その結果、この検査を受けたあとに自然妊娠することも少なくありません。
ただし、あくまでも検査なので、子宮卵管造影検査を行ったからといって100%妊娠しやすくなるわけではありません。
東洋医学からみた卵管のつまり
東洋医学の概念に「血瘀けつお」「 瘀血 おけつ」というものがあります。
血瘀・ 瘀血 とは、中医学において、鬱血や血行障害など血の流れの滞り、またはそれによって起きる様々な症状や疾病を指す言葉です。
東洋医学では流れが悪く滞りがちな血液を「 血瘀・瘀血」と呼んでいます。
瘀とは「停滞」という意味で、文字通り血が滞ったり、血の流れが悪く、よどんだ状態を指します。
血瘀・瘀血になった血液は正常な状態に比べて粘度が強くなっていて、流れが悪くなっています。
例えば、生理痛がひどかったり、生理の血の色が暗色であったり、ドロっとした塊っぽい血が出たりする場合です。
卵管の詰まりに効果的なツボ
膝の近くの内もも部分に「血海けっかい」というツボがあります。
ツボの位置は、膝頭から指3本分を上った内ももにあります。触ると少し凹んでいます。
ここにお灸をしたり、マッサージするのがオススメです。
卵管の詰まりに効く鍼灸治療
鍼灸治療では、紹介したツボ以外にも鍼やお灸をしていきます。
卵管があるおなか部分だけでなく背中や手足など、患者さんの状態に合わせて全身に鍼灸施術を行うことで体質改善を促し、妊娠しやすい身体つくりへと導いていきます。
肩こりや首こり、腰痛、ストレスなどによって血瘀・瘀血の状態は増悪されてしまいます。
このような症状を軽減していくことも血瘀体質を改善することにつながります。
血瘀体質を改善していくことで体全体の血流がよくなり、卵管内の分泌物の流れが滞っていたりするのも改善していくことになるでしょう。
まとめ
不妊治療の検査の一つに子宮卵管造影検査というものがあり、この検査によって卵管の詰まりの有無を調べることが出来ます。
卵管が詰まっていると、排卵された卵が上手くキャッチできないため、受精が難しくなり妊娠しづらいのです。
東洋医学から見た卵管の詰まりの原因として、血瘀・瘀血が考えられます。
いわゆる血行障害です。
血行障害により、卵管内の分泌物などの流れが滞り詰まってしまいます。
こういった症状を鍼灸治療によって改善することで、卵管の詰まりもスムーズになっていくでしょう。
この記事を書いた人
鍼灸師 大平洋子 (おおひら ようこ)
中国鍼灸院 箱嶌医針堂にて美容鍼・女性疾患などを主に担当している。
健康になりながら、美しくなっていただけるように鍼灸治療を行っています。
より多くの方に鍼灸の素晴らしさを知って頂きたいと思っています。
鍼灸や美容に関するブログを書いています。