排卵痛に対する鍼灸治療
生理予定日の2週間くらい前に、生理痛のような鈍痛を感じることはありませんか?
それは「排卵痛」かもしれません。
排卵痛とは
生理が始まる2週間前くらいになると、排卵が起こります。
卵子が卵巣から出て子宮へ向かうことを排卵というのですが、このとき卵子は卵胞(卵子を育て守っていた袋)や卵巣の壁を破って出てきます。
そのため多少の出血が起こることもあり、生理痛のような痛みや血の混ざったおりものが出ることがあるんです。
また、
・多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)で排卵が起こりにくいために痛む
・卵巣が腫れていたり癒着したりしていて排卵に痛みが伴う
・卵子が成熟して大きくなるため痛む
という場合もあるようです。
生理痛に比べ排卵痛を感じる方は少ないようですが、排卵日前後は毎月のように体調が優れないというほど重い症状が出る方もいらっしゃいます。
痛みの度合い
下腹部全体が痛む場合もあれば、排卵が起こったと思われる片側のみが痛むこともあります。
生理痛のような鈍痛や、チクチクとした痛みであることが多いようです。
通常であれば1日~2日程度で終わる痛みで生理痛ほどひどくないという方がほとんどですが、痛みが長引く場合や立ったり歩いたりするのも辛いほど痛む場合は病院へいきましょう。
出血量が多くて血がたまっていたり、他の疾患が隠れているかもしれません。
鍼灸治療
鍼灸治療には、生理痛や月経前症候群(PMS)、不妊症など婦人科系のお悩みで来られる方も多くいらっしゃいます。
排卵痛は他の婦人科系のお悩みと同じように、女性ホルモンに関するツボや子宮・卵巣などに関するツボを使って治療していきます。
血流が悪い方や冷えがある方は痛みが強く出やすいので、鍼やお灸を使って巡りを良くします。
治療を続けていくと少しずつ体調が整っていき、排卵痛に限らず生理痛やPMSなども改善していくことが多いです。
ツボ
内くるぶしから指の幅4本分あがったところにある三陰交(さんいんこう)というツボが、女性ホルモンに関するツボです。
このツボは冷え性や血の巡りの促進にも効果的です。
ご自身でお灸もできますので、おうちでやってみるのも良いと思います(*^^*)
また、排卵痛や生理痛を感じている時に下腹部や腰回りなど痛む部位にやるのも効果的です。
まとめ
生理痛のような痛みを感じる排卵痛。
しかし生理痛ほど多くの方が感じている痛みではないので、女性でも排卵痛のことを知らない人は多くいらっしゃいます。
そのため、痛みを感じても何が原因か分からずに不安に感じることもあると思います。
痛む場所や痛みの種類が生理痛に似ていて、排卵日が近ければ排卵痛かもしれません。
鍼灸治療では、冷えを改善したり子宮や卵巣への血流を促進したりすることで痛みを和らいでいきます。
何度か治療を続けていくと少しずつ痛みが改善したり、生理痛や生理不順・PMSなどのトラブルの改善も期待できます(*^^*)
ご自身でできる対策としては、足元やお腹、腰回りを冷やさないことです。
また、生活習慣や食生活が乱れることで体に不調が起こりやすくなってしまうので、そういった点にも気を付けましょう(^^)
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この記事を書いた人
美容鍼灸師 太田里穂(おおたりほ)
中国鍼灸院 箱嶌医針堂にて美容鍼・女性疾患などを主に担当している。
健康になりながら、美しくなっていただけるように鍼灸治療を行っています。
より多くの方に鍼灸の素晴らしさを知って頂きたいと思っています。
鍼灸や美容に関するブログを書いています。