過敏性腸症候群に対する鍼灸
大事な仕事のときに限って・・・
通勤電車や満員電車に乗ると・・・
急な腹痛や下痢に悩まされる「過敏性腸症候群」についてご紹介いたします。
もくじ
過敏性腸症候群とは?
腸に異常がないにもかかわらず、腹痛を伴う便秘や下痢、我慢できないほどのおならなどが頻繁に起こる状態です。
特に仕事中や授業中、満員電車など、今は困る!という時に限って起こりやすいので、日常生活を送るうえで悩みの種になっている方が多くいらっしゃいます。
主な症状
頻繁に腹痛に襲われる、便秘や下痢が続く、排便すると腹痛や不快感が和らぐ、よくおならが出る、腹部が張る感じがする、お腹でゴロゴロと音が鳴る、吐き気や食欲不振など、程度や症状に個人差があります。
タイプ①便秘型
女性に便秘が多いのは女性ホルモンが関係しているからです。
生理前に分泌量が増えるプロゲステロンというホルモンは水分を体に取り込む性質がありますので、便が硬くなって便秘になりやすかったり、むくみやすくなります。
そして今度は、便秘をなんとかしなければ!と思った脳の働きによって、生理が始まる頃には便がゆるくなるという現象が起こります。
タイプ②下痢型
一日に何度も下痢が出る下痢型は、女性よりも男性に多いようです。
腸の蠕動運動(腸の内容物を肛門へ向かって運ぶ動き)が活発になるために起こります。
蠕動運動が活発になる理由はいろいろありますが、たとえばホルモンによる影響という場合もあれば、牛乳など特定の食品に反応している場合もあります。
タイプ③交替型
便秘と下痢を繰り返します。
硬い便が引っかかっていても隙間を通って下痢が出たり、今度は硬い便が出たり、、、便秘型と下痢型を合わせ持った状態です。
タイプ④ガス型
お腹にガスが溜まり膨満感を感じたり、頻繁におならが出たりします。
騒がしい場所では気にならないのに、授業中や試験中などの静かな時間になると我慢できないほどおならが出てしまうので、人の目が気になってしまいます。
過敏性腸症候群の原因
ストレスと腸内環境が原因だと考えられています。
ストレスを感じると脳からセロトニンというホルモンが分泌されます。
セロトニンは幸せホルモンとも呼ばれストレスから体を守る働きがありますが、過剰に分泌されてしまうと腸の動きが活発になりすぎてしまうため、便意を催す腹痛や下痢が起こるのではと考えられています。
そして、腸内環境が悪くなることで腸が過敏になることがありますので、食生活の乱れにより悪玉菌が増えるなどの環境悪化による腹痛・下痢も考えられます。
なりやすい人
年齢の傾向としては、働き盛りである20代~50代に多くみられます。
真面目、几帳面、心配性、ナイーブな方がなりやすく、一度経験すると、またお腹が痛くなったらどうしよう…と不安に考えてしまい、それがストレスになって悪循環となります。
対策
まずは食事をできるだけ決まった時間に摂り、身体のリズムを整えましょう。
また、過敏性腸症候群でお悩みの方の内、約半数に「食物不耐性」があるといわれています。
食物不耐性とは、ある特定の食べものでお腹を壊しやすいという病態のことで、多いのは牛乳やヨーグルトなどの乳製品でお腹を壊す乳糖不耐症です。
心当たりのある方は、できるだけ控えるようにすると症状が起こりにくくなります。
こういった体質でなければ食事内容はあまり意識しなくて大丈夫ですが、冷たいものや生もの、脂っこいもの、刺激の強いものはできるだけ避けた方が良いでしょう。
ストレスをためすぎないこと、規則正しい生活をすること、過敏性腸症候群のことばかり考えすぎないようにすることも大切です(*^^*)
鍼灸治療
鍼灸治療では、自律神経を整えるツボや胃腸に関するツボに鍼やお灸をしていきます。
その鍼やお灸によるツボへの刺激は神経を通って脳へ伝わり、ホルモン分泌のバランスを整えて、脳と深い関わりのある腸へと作用します。
実際、鍼灸治療を受けている最中から、膨満感が軽減したり食欲が出てくるなど胃や腸の感覚に変化を感じる方もいらっしゃいます。
治療を続けていくことで少しづつ自律神経の乱れが整っていきます。
体調が整っていくと症状が出る頻度も減っていき、それが自信と安心感に繋がるので、さらに症状が起こりにくくなっていきます(^^)
この記事を書いた人
美容鍼灸師 太田里穂(おおたりほ)
中国鍼灸院 箱嶌医針堂にて美容鍼・女性疾患などを主に担当している。
健康になりながら、美しくなっていただけるように鍼灸治療を行っています。
より多くの方に鍼灸の素晴らしさを知って頂きたいと思っています。
鍼灸や美容に関するブログを書いています。