逆子のオススメ養生法とお灸
当院には、逆子に悩む方も来院されます。
逆子はハッキリとした原因がわかっていませんが、骨盤の形や傾き、子宮の形、胎盤の位置やへその緒の長さなど、さまざまなことが要因になっていると考えられています。
逆子と診断されても時間とともに戻る場合も多いです。
ただ、赤ちゃんが回りやすい環境と回りにくい環境があります。
暖かくてふわふわな子宮だと赤ちゃんは動きやすいので回りやすいのですが、血流が悪く冷えて収縮した子宮では回りづらくなってしまいます。
そこで、赤ちゃんが動きやすいあたたかい子宮にするためにできることや、赤ちゃんが回りやすくサポートできるような体勢・寝方、気を付けるべき生活習慣などについてご紹介したいと思います。
①足湯
体を温めるのが目的です。
長くお風呂に入ったり激しい運動をすることは妊娠しているとツライかもしれませんが、足湯であれば体に負担をかけることなく全身を温めることができます!
コツは、足首より少し上にある「三陰交」というツボを温めるようにお湯につかること。
洗面器などでは浅すぎるので大きめのバケツなどが必要になりますが(>_<)
足の血液が心臓に戻っていく際に骨盤内を通っていきますが、あたたかい血液が通うことで、骨盤内臓器である子宮や卵巣も温まります!
お腹の中にいる赤ちゃんの体に脂肪が付き始めるのは35週頃からで、それまでは骨と皮の状態なので、お腹が冷えると赤ちゃんは寒い思いをします。
大人でも子どもでもそうですが、寒いときって体が硬くなって動かしづらいですし、寝る時も布団の中で丸まってあまり動きたくないですよね。
なので、赤ちゃんが動きやすい環境にするためにも足湯で体を温めるのがオススメなんです(*^^*)
関連記事→冬は逆子が増える!?(治療動画あり)
②逆子体操
お母さんが立っていても座っていても、重力にしたがって赤ちゃんは子宮の下の方にいることが多いです。
体操というより、赤ちゃんが回りやす2い空間を作るための姿勢です。
下の方にいる赤ちゃんを上に上げたいので、胸膝位(きょうしつい)という、四つん這いになり胸を床につける姿勢が定番です。
この姿勢が難しいという方には、仰向けでできる姿勢もあります。
膝を立てて仰向けになり、お尻の割れ目くらいの位置に枕やクッションを入れて腰の位置を高くする姿勢です。
コツは、腰が丸まったり反ったりしないで、滑り台のようにまっすぐなることです。
疲れてしまってはいけないので、長く続ける必要はありません(^^)
1日の中で何回かこまめにできればいいと思います。
③寝る時の姿勢
逆子体操と同じで、赤ちゃんが回りやすいスペースを作るための姿勢です。
赤ちゃんの背中が上になるように寝ます。
赤ちゃんの背中が右にある場合は左を向いて、背中が左にある場合は右を向いて。
しかし、体が前に倒れるような横向きはお腹が圧迫されてしまい意味がありません。
横向きに寝たら、少し仰向けに近づくように体をたおします。
”お腹のスペースを広げるため”と思うとイメージしやすいかと思います。
足の間や背中側にクッションなどを挟むと楽にできます(*^^*)
エコーによる検診などで、赤ちゃんがどっちを向いているかを教えてもらったらお試しください(^^)
④睡眠について
よくお肌のゴールデンタイムと言われている22時~2時ですが、これは成長ホルモンが分泌される時間なんです。
成長ホルモンはお肌のターンオーバーに関わるので、この時間帯は寝ていることが大事ということなのですが、もちろん赤ちゃんの成長にも大切です。
寝る時、胎動が活発になりませんか?
これは成長ホルモンの影響で赤ちゃんが元気になってるんです。
スマホやテレビを見て夜更かししていると交感神経という活動時に働く神経が昂るので、睡眠の質が落ち、成長ホルモンの分泌の妨げになります。
赤ちゃんのためにも、自分の美容と健康のためにも、遅くても23時くらいには寝ましょう( ˘ω˘ )
⑤衣類について
体を冷やさないためには、着るものもポイントです。
足首の少し上にある三陰交というツボは冷やすとよくないので、長めの靴下を履いたり、夏でも素足は避けましょう。
お腹も冷やさないようにしたいので、お腹まで包める下着や肌着、腹巻きなども大事です。
そして、ピタッとしたお腹を圧迫するような服よりも、ゆったりと着れるワンピースなどもオススメです。
冬は足首やお腹、腰などに服の上からカイロを貼るのも良いと思います(*^^*)
⑥食事について
大きくなった子宮は胃と隣接していますので、胃が冷えると子宮も冷えてしまいます。
食べ物にはそれぞれ性質があり、体を温めるもの、体を冷やすものがあります。
冷やす食べ物:生もの、夏が旬の食べもの、暑い地域で育つもの など
温める食べ物:冬が旬の食べもの、寒い地域で育つもの など
野菜を食べるときは、生のサラダで食べるより茹でたり蒸したりしたものが良いです◎
根野菜は体を温める性質なので、大根や人参、ゴボウなどで豚汁にするとたくさん摂取できます(*^^*)
⑦逆子のお灸
当院に逆子の治療に来られる方は、お灸による施術を受けられています。
足湯のところでもご紹介した三陰交(さんいんこう)というツボと至陰(しいん)というツボにお灸をするのですが、このツボにお灸をしたら赤ちゃんがくるっと回るというわけではありません。
三陰交というツボは冷えによく効くツボです。
三陰交にお灸をする目的は、温かい血液を子宮に巡らせ、居心地の良い子宮をつくることです。
至陰というツボは陰と陽の境目にあるツボなんです。
東洋医学(鍼灸や漢方など)の世界では、陰と陽のバランスがとれている状態を良い状態と考えます。
至陰にお灸をすることで陰陽のバランスを整え、赤ちゃんを正しい位置(頭が下)に戻るのを促します。
当院では、逆子のお灸を受けに来られた方にはご自宅でもできるようにお灸をお渡ししています。
⑧ツボの場所
三陰交(さんいんこう)
足首、内くるぶしから指の幅4本分上にあがったところです。
至陰(しいん)
足の小指の爪の際(外側)にあります。
当院の逆子のお灸では、三陰交にはシールタイプの簡易的なお灸をして、至陰には昔ながらの直接肌に据えるお灸をしております。
昔ながらの直接灸は少し熱いですが、より刺激を与えることができます。
お灸をしている最中から胎動が激しくなる方が多いです!
まとめ
逆子の原因はハッキリと分かっていません。
病院によっては、そのうち戻りますよと言われる場合もありますし、たしかに時間とともに戻るケースも多いです。
妊娠後期の赤ちゃんは、30分~40分間隔で寝たり起きたりを繰り返しています。
寝ているときに回る可能性は低いので、起きているときがチャンスです。
起きてもじっとしている時もありますので分かりにくいこともありますが、胎動が大きければ回るチャンスなので、家事をしている手を止め、お腹を広げる姿勢で少しゆったりと過ごしてみてください(^^)
お灸による施術は、「戻りやすい環境をつくる」「赤ちゃんの居心地が良い子宮にする」お手伝いです。
逆子体操やお灸をしても戻らない赤ちゃんもいます。
そのときは、胎盤の位置やへその緒の長さ、骨盤の形・傾き、子宮の形などの関係で、赤ちゃん自身がその体勢を選んでる可能性もあります。
例えば、いざ分娩が始まってみたら赤ちゃんが産まれる前に胎盤が剥離してしまった、へその緒が短くて赤ちゃんが出てこれない、なので緊急帝王切開しましょう、となることもあります。
逆子が戻らなかった赤ちゃんは、もしかしたらそういう可能性があったのかもしれません(^^)
どんな出産方法だとしても、赤ちゃんが無事に産まれてくることが1番大事なことなので、逆子であることで自分を責めないでくださいね(*^^*)
この記事を書いた人
美容鍼灸師 太田里穂(おおたりほ)
中国鍼灸院 箱嶌医針堂にて美容鍼・女性疾患などを主に担当している。
健康になりながら、美しくなっていただけるように鍼灸治療を行っています。
より多くの方に鍼灸の素晴らしさを知って頂きたいと思っています。
鍼灸や美容に関するブログを書いています。