卵子の質を良くするツボ
晩婚化が進み、年齢やストレスも関係して不妊にお悩みの女性が増えています。
不妊の原因となっている体質4種やツボについてご紹介します。
体外受精がうまくいかない
体外受精のために病院へ通われている方で、なかなかうまくいかない場合、
・ホルモンの数値が悪くて採卵できない
・卵巣機能が低下して卵子が成熟するまで育たない
・採卵できても胚盤胞まで育たない
などのことでお悩みの方が多いと思います。
病院では、卵子を取り出したり人工的に受精させたりすることはできますが、卵子そのものの質を上げることはできません。
人工授精や体外受精は西洋医学(病院)に任せるとして、卵子や子宮など、母となる体をケアしてあげられるのが東洋医学(鍼灸や漢方)です。
卵子の質について
男性は毎日体の中で新しい精子が作られますが、女性は違います。
赤ちゃんの頃に卵子の元を全て作り終え、あとは日々減っていく一方なんです。
なので、ストレスや冷え性などで体の調子が悪いと、質の良い卵子が作られないまま卵子の元はどんどん減っていきますし、年齢を重ねるとともに卵子も老化していきますので、どんどん妊娠が難しくなります。
鍼灸でできるのは、体を整えて、卵子の質をあげることです。
まだまだ多くの方には鍼灸が不妊に効くと認知されていないかもしれませんが、不妊に悩んでいる方が鍼灸院へ通うことも増えています。
不妊の体質4タイプ
①血の巡りが悪いタイプ
東洋医学では瘀血(おけつ)といいます。
・生理痛がひどい
・経血の中にレバー状のような塊が混ざることがある
・顔色がくすみがち
・子宮内膜症や子宮腺筋症がある
・下腹部を押すと痛みがある
など。
血の巡りが悪い、古い血を排泄できず体の中に溜め込みやすい、というイメージです。
②栄養不足タイプ
東洋医学の言葉で言うと、「気」が不足しています。エネルギー不足です。
・食欲不振、胃もたれがある
・胃下垂である
・よく下痢をする
・疲れやすい
・夏バテ・夏痩せしやすい
など
胃腸が弱く、食事からの栄養吸収が不足しているタイプです。
③生殖機能の衰えタイプ
東洋医学では、「腎」のエネルギーが生殖機能に関わっていると考えています。
腎のエネルギーは両親から受け取った先天的なものがありますが、これは年齢とともに減っていきます。
それだけではなく、過労や不摂生などでも減っていきますので、働く女性はエネルギー消耗がより激しく、いざ妊娠を望んだときになかなかできない…ということになりかねません。
・髪が良く抜ける
・若い頃から白髪が多い
・生理が2~3日で終わる
・生理周期が長い
・35歳以上
など
今までバリバリ働いていた女性が、30代半ばになり仕事が落ち着いてきたのでそろそろ子どもがほしいな…と思ったときにはエネルギー不足になっていた、というイメージです。
④ストレスタイプ
過度なストレスは、体へ悪影響を及ぼします。
円形脱毛や胃炎などはよくストレスが原因と聞きますが、ストレスによって脳が障害を起こし、女性ホルモンが減少したり血行が悪くなるなどの影響もあるんです。
・生理前はイライラする
・情緒不安定
・よくため息がでる
・喉がつまる感じがする
・生理前は胸が張る
など
イライラすると頭に血が上ると言いますが、その通りで、イライラしていると下半身への血の巡りも悪くなりますし、筋肉も緊張して自律神経が乱れてしまいます。
また、体外受精や人工授精など、不妊に対する治療がうまくいかないこと自体がストレスになっている場合も多いです。
不妊症の鍼灸
①血の巡りが悪いタイプ ②栄養不足タイプ ③生殖機能の衰えタイプ ④ストレスタイプ の4つのタイプについてご紹介しましたが、不妊に悩む方に共通しているのは「冷えている」ということです。
体、特に足が冷えると骨盤内の血流が悪くなり、結果的に子宮や卵巣も冷えてしまいます。
冷えた子宮では卵子の質も上がりませんし、血流が悪くなると子宮内膜もじゅうぶんな厚さにならないので着床しにくくなります。
鍼灸では腰や足にあるツボに鍼やお灸をおこなって血流を促進し、子宮や卵巣の冷えを改善します。
鍼灸をすることで血の巡りが良くなっていくと、卵子の成長が順調になったり、子宮内膜が厚くなり着床しやすくなります(^^)
卵子の質を良くするツボ
当院の鍼灸施術で使うツボをご紹介します。
三陰交
①血の巡りが悪い(瘀血)タイプに効果的なツボです。
内くるぶしから指の幅4本分あがったところです。
女性ホルモンに関するツボで、生理痛や生理不順の施術でも使います。
冷え性にも効果的で、このツボにお灸をすると骨盤内の血の巡りがよくなり、体全体がポカポカしてきます。
足三里
②栄養不足タイプに効果的なツボです。
膝の外側にある凹みから指の幅4本分さがったところです。
胃腸の調子を整えるのに効果的なツボです。
他にも、足の疲れをとったり免疫力アップの効果が期待できます。
太渓
③生殖機能の衰えタイプに効果的なツボです。
内くるぶしとアキレス腱の間にあります。
髪や生殖機能などに関するツボです。
他にも、むくみの治療でも使います。
太衝
④ストレスタイプに効果的なツボです。
足の親指と人差し指の骨が交わる所の手前(指先の方)に少し戻ったところです。
イライラなどストレス以外にも、シミやくすみ改善といった美容効果もありますので、美容鍼でもよく使っているツボです。
この4つのツボはそれぞれのタイプだけに効果があるのではなく、どのツボも血流をよくする、自律神経を整えるといった効果がありますので、不妊の治療ではこれら4つのツボ全て使うことも多いです。
当院の施術では他にも腰回りのツボも使って治療していきますが、セルフケアでお灸をオススメしていますので、ご自身でお灸をしやすい足のツボをご紹介しました(^^)
まとめ
赤ちゃんがなかなかできなくて悩んでいる方は、タイミング法や体外受精、人工授精などいろんなことを試したり検討されているかと思います。
どんな方法にしても、まずは卵子の質をあげて妊娠力を高めること、そして着床しやすいように子宮の状態を良くすることが大切です。
体が冷えないように気をつけるのはもちろんですが、鍼灸やセルフお灸などでツボを刺激してあげると、より体の状態が整いやすくなります(^^)
鍼灸を始めてから生理痛が軽くなった、生理が順調に来るようになった、基礎体温があがった、などの報告をいただいています。
不妊に悩んでいる方は、ぜひ鍼灸も試してみてください(*^^*)
この記事を書いた人
美容鍼灸師 太田里穂(おおたりほ)
中国鍼灸院 箱嶌医針堂にて美容鍼・女性疾患などを主に担当している。
健康になりながら、美しくなっていただけるように鍼灸治療を行っています。
より多くの方に鍼灸の素晴らしさを知って頂きたいと思っています。
鍼灸や美容に関するブログを書いています。