血と不妊症
東洋医学では、不妊症の原因として「腎精の不足」とならんで、もうひとつ大事なものがあります。
それは、「血(けつ)」です。「血」とは血液とその血液が運んでくる栄養素のことです。
「血」は「腎精」と共に生命エネルギーのベースになります。
「腎精」は親からもらうものですが、「血」は飲食によって生み出されるものです。
そのため、毎日の食事と胃腸の調子が良くないと、「血」は作られません。
東洋医学では、血が足りていない状態を「血虚(けっきょ)」と言います。逆に、血は足りているが、滞って血めぐりが悪い状態を「血瘀(けつお)」や「瘀血(おけつ)」と言います。
「血虚」になると、子宮に栄養が行き渡らず、月経周期が遅れたり、月経時の血量が少なくなります。
子宮内膜も薄くなり、着床にしくくなったり、胎児が育ちにくくなります。
また、出産後も乳汁不足や産後うつ病になりやすくなります。
「瘀血(おけつ)」になると、生理痛がひどかったり、生理の血に塊が多かったりします。
また、子宮筋腫、子宮内膜症、チョコレート嚢腫、子宮腺筋症、卵巣嚢腫、子宮ポリープなどの子宮や卵巣の病気にかかりやすくなります。
あと、不妊症クリニックなどでホルモン剤を投与され過ぎると、「瘀血(おけつ)」になりやすいと言われています。
ホルモン剤を投与される際は、鍼灸、漢方薬による「瘀血(おけつ)」対策が必要となります。