突発性難聴と鍼灸治療の開始時期
いつから鍼灸治療をはじめる?
突発性難聴による聴力の低下は軽症から重症の方までそれぞれですが、
いづれの場合でもできるだけ早い時期に鍼灸治療を行うほうが効果的です。
当院には突発性難聴の鍼灸治療を受けに多くの方に来ていただいていますが、
突発性難聴を発症して、2~3週間過ぎてから来られることが多いように思います。
治療開始時期で、結果は違う!?
なぜ2~3週間過ぎたころに鍼灸治療を受けに来る方が多いのか?
それは、耳鼻科での治療を一通り終えて、それでも聴力が回復しない。
あるいは聴力は回復したが、耳鳴りや耳の閉塞感があるため、鍼灸治療で改善できないかということで来院されます。
しかし、もっと早い時期(1週間以内)から鍼灸治療を受けられるとより効果的な場合があります。
もちろん、耳鼻科の治療と併用していただきながらですし、耳鼻科での治療が第一ですが。
発症早期の鍼灸治療の症例
70代 女性 福岡市在住
昨日、突然右耳の聞こえが悪くなり、すぐに耳鼻科に行き、聴力検査をしたところ右の耳の聴力が低下していました。
もともと高音域は両耳とも聞こえが悪かったが、今回右耳の全域において聴力が低下していた。
耳鼻科の先生から「1週間ステロイドの投薬治療をして、その後の回復状況によっては入院治療をしましょう」と言われる。
入院だけはどうしても避けたいため、耳鼻科の治療と併用して当院での鍼灸治療を受ける。
劇的な聴力回復
鍼灸治療は5日間連続で行い、そして突発性難聴を発症して1週間後の耳鼻科での聴力検査では、もともと聞こえの悪い高音域以外は正常に近づく。
耳鼻科の先生からも「年に1人いるかいないかぐらいの聴力の回復ですね」と言われたそうです。
また、患者さん自身も鍼灸治療を受けたびに、聞き取りやすくなることを実感されています。
今回の例は耳鼻科の治療との併用での鍼灸治療なので、鍼灸治療だけで回復したとは思いませんが、
微力ながらも鍼灸治療も聴力回復の役に立てたのではないかと思います。
突発性難聴治療のゴールデンタイム
突発性難聴で聴力回復が可能な時間は限られています。特に耳鼻科での治療開始の時期は早いに越したことはなく、1週間以内とくに48時間以内が望ましいと言われております。
鍼灸治療も耳鼻科ほどではないものの、できるだけ早期に鍼灸治療を受けられることをお勧めします。